トップアンサンブルシリーズ6/27公演に登場
北欧の新星クァルテット
Opus13インタビュー
2026年6月27日の「トップアンサンブルシリーズ」公演には、ロンドンとボルドーのコンクールで認められた期待の新星Opus13が登場!
来日に先立ち、クァルテットのおもしろさや将来の展望、日本で楽しみにしていることなどをメンバー4人に聞いたインタビューが届きました。

オーパス・サーティーン
(ノルウェー/スウェーデン)
2026年6月27日(土) 15:00開演
あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール
<2025年 第11回ボルドー国際弦楽四重奏コンクール第1位、ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクール第1位、ボルドー国際弦楽四重奏コンクール提携公演>
プログラム
- メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第2番 イ短調 op. 13
- ブリッタ・ビューストレム:浮遊する世界からの印象(Images From The Floating World)
- グリーグ:弦楽四重奏曲 ト短調 op. 27
出演者
- 園子ミリアム・ヴェルデ (ヴァイオリン)
- エドヴァルド・アールダル (ヴァイオリン)
- アルビン・ウーシヤルヴィ (ヴィオラ)
- ダニエル・トレル (チェロ)
本公演では、彼らの音楽的なアイデンティティを象徴する3つの作品をお送りします。メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.13は、Opus13 が最初に取り組んだ作品であり、クァルテットファンの皆さまはお察しのとおり、グループ名の由来にもなった特別な一曲です。10代のメンデルスゾーンが、自作の愛の歌「Frage(問い)」を基に書き上げたこの四重奏曲は、全編が青春の切実さと情熱に満ちています。結成時同じく10代だった Opus13 のメンバーの心に響くものであり、単なるレパートリーを超えて共に成長してきた“原点”ともいえる作品を、名刺代わりに。
続くブリッタ・ビューストレム作曲「浮遊する世界からの印象」(Britta Byström:Images From the Floating World)は、スウェーデンを代表する現代作曲家の一人、ブリッタ・ビューストレムによる、アイスランドの伝説を基にした、6つの小品からなる作品。ノルウェーとスウェーデン出身という北欧にルーツを持つ Opus13 にとって重要なレパートリーです。
その北欧音楽の象徴ともいえるグリーグによる弦楽四重奏曲ト短調Op.27は、ボルドー国際弦楽四重奏コンクールでも演奏し絶賛された、Opus13の代名詞ともいえる作品。彼らの演奏からは、その生々しい感情、民謡の影響、そして簡潔で力強い北欧の響きが凝縮された、壮大なスケールと深い情緒を持つ作品の真の魅力を体感できるはず。
今最も注目を集めるOpus13 のアイデンティティを堪能できるプログラム、どうぞお聴きのがしなく!

メンバーへのインタビュー
――昨年はボルドー国際コンクールとウィグモア国際コンクール優勝おめでとうございます。
―ウィグモアコンクール後、わずか1か月でボルドーコンクールに優勝したお気持ちは?
園子 :ものすごくうれしかったですし、正直言って、良い結果となってほっとした気持ちもありました。ウィグモア優勝直後に早い段階で敗退する可能性もあったわけで、ボルドーに行くかどうか決める時にかなり考えました。でも、最終的には全力で挑戦したいと思ったのです。優勝で得られるたくさんのコンサートの機会を考えると挑戦しない理由はありませんでした。
――何か受賞したことで変化はありましたか?この日本ツアーもコンクールの副賞ですが、他にもコンサートが増えたのではないかと思いますがどうでしょうか?スケジュールは変わりましたか?コンクール後に何か印象に残っているコンサートや出来事はありますか?
アルヴィン:グループとしての結束が、比喩的にもそして文字どおりの意味でも、より強くなりました。たくさんコンサートがあって、一緒に過ごす時間が以前よりずっと増えています。
ダニエル:世界中の様々な会場で演奏する機会をいただくことができました。この春にはアイゼンシュタットのエステルハージ宮殿にあるハイドン・ザールで演奏しましたが、本当に特別な経験でした。
園子:コンクールを通じて得られたすばらしいことの一つは、審査員たちとその後に交流できたことです。コリーナ・ベルチャ(ベルチャ・クァルテット)は長年大きな影響を受けてきた存在で、ボルドーの審査員という立場の彼女の前で演奏するのは特別で、少し怖くもありました。でも彼女はとても親切で、それ以来ずっと連絡を取り合っており、業界の重要な方々を何人も紹介してくださっています。他、エレーヌ・クレマン(元ドーリック・クァルテット)には、今年のリレハンメルでの私たちの音楽祭に出演していただきました。共演はすばらしかったし、またコンサートでごいっしょできたらと思っています。
――クァルテット名をOpus13にしたのは、最初に演奏した弦楽四重奏曲がメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番Op.13だったからとのことですが、あらためて、いつどのような経緯でクァルテットを結成することになったか、なぜ最初に演奏した曲がこの曲だったのか、この名前にしてよかったことを教えてください。
園子:私たちのクァルテットは2014年、創設メンバー全員が学んでいたオスロのBarratt Due Music Instituteで結成しました。そのころ、私はエベーヌ弦楽四重奏団が前年にリリースしたメンデルスゾーンのアルバムに夢中で、このイ短調のクァルテットをどうしても弾きたくて、他のメンバーが同意してくれたんです。本当にインスピレーションに満ちた美しい曲で、若々しい情熱や壮大なアイディア、純粋な感情にあふれています。それ以来、私たちはこの曲を折に触れて何度も(コンサートでもそうでなくても)演奏してきました。今、結成から12年経って、この曲を収録したアルバムを今年の夏以降にリリース予定です。私たちにとってまさに一周まわって一つの輪が閉じるような瞬間です!
Opus13の名前についてですが、多くの団体が作曲家や作品の名前をつけているので、私たちは作品番号をつけるのはどうだろう、と考えたのです。13という番号は、何か特別な力のようなものがありますし、迷信的な含みもあって惹かれました。それでOpus13という名前に決めたのです。

――Opus13の13の部分はそれぞれの国の発音で読んでもらってかまわないと言っていましたが、あなたたち自身はなんと発音していますか?英語でThirteen?
園子:ノルウェー語ではopus tretten、スウェーデン語では、opus tretton。旅先でたくさん色々な言語で聞くのも楽しいんです。フランス語、オランダ語、スロヴァキア語など…
――普段はどこで練習していますか?何語で会話していますか?ノルウェー語やスウェーデン語?
園子:二人はノルウェー、二人はスウェーデンに住んでいます。普段はオスロかストックホルムで練習しています。ノルウェー語とスウェーデン語はとても似ているので、自分たちの言語で話してますが、よく理解し合えるんです。
――クァルテットとして演奏するおもしろさはどこにあると思いますか?
エドヴァルド:私にとって弦楽四重奏の魅力は、リハーサルでもステージでも、献身と情熱を共有する4人の音楽家が集まり、ひとつのものを共に創りあげていくところにあります。優れたクァルテットでは、それぞれの奏者の個性ある音楽性が聞こえるだけでなく、デュオやトリオという異なる組み合わせから生まれるつながりや対話、そして4人が一体となった時の統一感のある響きまで、すべてが感じられます。たった4人で、自発的にその場で特別な瞬間を生み出す自由がありながら、同時に豊かなで充実したアンサンブルの響きを実現できるのです。そして弦楽四重奏のレパートリーは尽きることがない、無限ともいえる傑作の宝庫なのです。
――リレハンメルであなたたちが立ち上げたという音楽祭について、教えてください。
どういう経緯で立ち上げたのですか?どんな内容なのでしょうか?
エドヴァルド:自分たちの音楽祭を主宰したいとずっと夢見ていました。旅で出会った音楽家たちを招いて、週末にわたって一緒にコンサートをつくりあげるのは、私たちにとって本当に特別なことなのです。リレハンメルは、1994年の冬季オリンピックが開催されたことで知られる、美しい小さな街でもあります。音楽祭は毎年2月に行うので、いつも何か“冬のワンダーランド”のようだと感じます。
リレハンメルは私が育った町でもあります。そうしたこともあって、この音楽祭はある意味で家庭的なプロジェクトのような存在になっていて、私にとって特に意味があるのです。
――今回のプログラムについて、何か付け加えたいコメントがありましたらお知らせください。
園子:数か月前にストックホルムで、「浮遊する世界からの印象」を、作曲家ブリッタ・ビューストレム本人の前で演奏するという幸運に恵まれました。彼女が言うには、この曲は日本の浮世絵美術からインスピレーションを受けて書かれたのだそうです。日本ツアーのプログラムとしてこの曲を選んだ時は、そのことは知らなかったので、全くの偶然なのです!この曲を演奏するのはとても楽しいですし、日本のお客様がどのように受け止めてくださるかとても興味があります。

――今後、こんな活動をしていきたい、など将来の展望を教えてください。
アルヴィン:1月には、メンデルスゾーンとグリーグの作品を収録した私たちのファーストアルバムをレコーディングしました。これからもどんどん弦楽四重奏曲を録音していけるのを楽しみにしています。他にも、楽しみなデビュー公演がたくさん控えています。現在、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲に少しずつ取り組んでいるところです。いつかベートーヴェン全16曲のツィクルスを演奏することは、長期的に間違いなく達成したい大きな目標の一つです。
――日本ツアーで楽しみにしていることは?食べてみたいもの、料理などはありますか?
園子さん以外の3人は、日本に来たことはありますか?
エドヴァルド:日本は初めてで待ちきれません!日本についてはすばらしい話をたくさん聞いていますし、日本食が大好きなので、夢がかなったような気持ちです。
アルヴィン:日本は初めてなので、文化を体験したり、おいしい日本食をたくさん食べるのが楽しみです。ラーメンが大好きなので、たくさん食べますよ!それから新幹線に乗りたいです!
ダニエル:私も初めてでとてもわくわくしています!子どもの頃はたくさんマンガを読んでいたので、日本に行くのはずっと夢でした。おいしいものをたくさん食べたいと思っていますし、時間があったらスーパーニンテンドーワールドに行きたいです。
――園子さんは日本にはどれくらいの頻度で来ているのでしょうか。日本の思い出はありますか?
園子:日本にはたぶん10回くらい来ています。半分日本人なので、日本には強い絆を感じますし、もっと日本で過ごせたらと思っています。できることなら、牛丼、焼き鳥、たこ焼きを毎日でも食べたいくらいです。子どもの頃はよくフィギュアスケートを見ていました。浅田真央さん、高橋大輔さん、安藤美姫さんなど……。私の中でとても大きな存在で、若い頃の私を大いに励まして影響を与えてくれました。日本で彼らのスケートを何度か生で見ることができたのは今でも心に残っています。そしてもちろん、家族の半分は日本に住んでいて、母の出身地である千葉には親戚たちとの大切な思い出がたくさんあります。そんな日本で、家族や友人が客席にいる中、クァルテットとして演奏できることは、私にとって特別な経験になることでしょう。

――日本のお客様へのメッセージをお願いします。
園子:クァルテットを始めて間もない頃から、いつか日本で演奏できたら最高だね、と話してきました。いよいよそれが実現しようとしていて、私たちのお気に入りの音楽を日本の皆さまと分かち合えることが楽しみでなりません!
エドヴァルド:日本でコンサートをするのは長年の夢でした。日本のお客さまにお会いできること、そしてすばらしい北欧(スカンジナビア半島)の音楽を分かち合えることを楽しみにしています!
アルヴィン:私たちは皆日本が大好きなので、日本で演奏できることは間違いなく今年のハイライトです。皆さんにお会いできることを楽しみにしていますし、将来もまた何度も会えますように!
ダニエル:ぜひ聴きに来てください!ついに日本デビューできることにわくわくしています。この気持ちを皆さまと分かち合いたいです!