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日本室内楽振興財団

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2023/01/17

更新情報

【公演紹介】進化する音楽—いまドーリック・クァルテットを聴く理由

 
進化する音楽 -いま ドーリック・クァルテットを聴く理由-
河井拓(大阪国際室内楽コンクールプロデューサー)




ドーリックの歩み 「 何かカチッとスイッチが入るようだった。」


ドーリック・クァルテットの歴史は長い。ヴァイオリンのアレックス・レディントンとチェロのジョン・マイヤースコウは幼い頃から知り合いで、8 才か9 才の頃には様々なアンサンブルで一緒に演奏していた。ドーリックの原型が出来たのは2人が16才の時。ロンドンで開かれた弦楽四重奏シンポジウムのために組み始めた。
課題はドビュッシーの四重奏だったが、「そのメンバーでの演奏体験で、何かカチッとスイッチが入るようだった。」と述懐するように、弦楽四重奏にのめり込むようになり、イントネーションやコードのバランスなどを、それ以前とは全く違うレベルで求めることになった。その後は異なる音楽学校に進みながらも活動を継続し、2008年に大阪国際室内楽コンクール第1位と伊パオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクール第2 位の受賞で一気に国際的なキャリアに進みだした。
現在ではヨーロッパ各地だけでなく、アメリカでも毎年のように出演。ジョン・アダムス作曲の弦楽四重奏とオーケストラのための「Absolute Jest」は作曲者自身の指揮でウィーン交響楽団と共演している。2015年からはロンドン王立音楽院で後進の指導にもあたっている。



ドーリックの音作り 「 良いアンサンブルのサウンドはゴールではなく結果です。」

ドーリックの音楽作りではまずハーモニーを整えることが重視される。音の重なりを一緒に作り上げる感覚を大切にしていて、練習ではお互いに人間的であることが求められる。
「良いアンサンブルのサウンドというのはゴールではなく結果です。ハーモニーの緊張と緩和をメンバー同士が共有することから、それは生まれていきます。」
「いつも常に何かを一緒にトライしていくうちに、その解釈は私たちのアイデアが混ざり合ったものになっていきます。それはお互いに妥協しているという事ではありません、個々の意見はとてもしっかりしていますから。」

と以前語った彼らの演奏は、確かに個を尊重しながらも全体が一つの生命体のように緊密に音を紡いでいく。



歴史的解釈 ピリオド弓の導入へ 「 まるで靴に突然羽が生えたような感じ」

ドーリックの演奏では時代考証に基づいたピリオド奏法を取り入れていたが、古典派作品の音への更なる追求からピリオド弓(現在の形になる前の古い時代の形状の弓)の導入を決めた。
探し出した著名な弓職人はドーリックの演奏を聴きながらメンバーと多くの時間を共にして、アンサンブルの感受性や繊細さを感じ取りながら作り上げていった。
ドーリックとしてはピリオド奏法の専門家では無く幾分不安だったようだが、弓職人に
「(弓の選択に)正しいも間違いも無い。古典派の時代当時だって、色々な場所で異なった弓が試されていたんだから。それを我々が今も続けているだけだよ。」
と言われて自信を持った。

「まるで靴に突然羽が生えたような感じでした。この弓を使うと音を出すときの反応がすごく良いんです。」
ピリオド弓を使った時の印象をメンバーはこの様に語る。
ピリオド弓を使うと音が小さく控えめになると思われることがあるが、彼らは違うという。
激しいパッセージであっても演奏の意図が音楽に反映されて、密度の濃い音が鳴るようになる。
「モダンな弓よりも音のテンションに耐えることが出来て、まるでルーペを通過した太陽光のようにピンポイントで濃密なサウンドになります。」

ピリオド弓を得た当時はハイドンだけでなくベートーヴェンやメンデルスゾーンなどの作品もピリオド弓で演奏していたが、最近では
「ベートーヴェンの後期作品にもっと適したモダン弓を得たので、大阪ではピリオド弓とモダン弓を曲ごとに使い分けます。」
と語っている。


常に探究と進化を続けるドーリックのサウンド。この次の来日ではまた変化していることだろう。過去でも将来でも無く、ドーリックの「いま」を楽しみにしたい。




深い歴史解釈に裏付けられたクリアサウンド

ドーリック・クァルテット

弦楽四重奏、イギリス
第6回大阪国際室内楽コンクール第1部門 第1位


2023. 2/26(日) 15:00開演

▶曲目
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 op.95 「セリオーソ」
ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ長調 op.50-6
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 op.127

▶出演
ドーリック・クァルテット
アレックス・レディントン(ヴァイオリン)
イン・シュー(ヴァイオリン)
エレーネ・クレマン(ヴィオラ)
ジョン・マイヤースコウ(チェロ)


▶料金 全席指定
一般¥5,000/ザ・フェニックスホール友の会¥4,500/学生¥1,500

※ザ・フェニックスホール友の会に関する情報はこちら

▶プレイガイド
ザ・フェニックスホール チケットセンター
 06-6363-7999 (平日10:00~17:00 / 土日祝 休業)
チケットぴあ https://t.pia.jp/
ローソンチケット https://l-tike.com/



※車でのご来場はご遠慮ください。車いすでのご来館や、目や耳の不自由なお客様など、係のお手伝いが必要なお客様は、事前にご連絡ください。
※未就学児童の入場はご遠慮いただいております。
※都合により出演者、曲目などが変更になる場合があります。予めご了承ください。
※マスクの着用や入場時の検温など、感染症予防にご協力をお願いします。ご協力いただけないお客様には入場をお断りします。感染症予防の詳細は、ホールウェブサイトでご確認下さい。




▶主催
公益財団法人 日本室内楽振興財団
あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール

▶後援
読売テレビ/読売新聞社




▶問い合わせ先
公益財団法人日本室内楽振興財団
06-6947-2184

ザ・フェニックスホールに集うトップアンサンブルシリーズ2022-2023

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